第49章 ガンと向き合う
2019年ガンは増殖が早く全身の骨、そして肝臓に転移してしまいました。
はじまりは突然の股関節あたりの痛みの訪れでした。歩くことに支障が出てきて、腫瘍マーカーもうなぎ上り!
医師から、ここでとうとうホルモン剤から抗がん剤治療への切り替えを勧められてしまいました。
ずっと副作用による体調不良を抱えながらの生活に疑問を感じていたので、避けて通って来た道でしたが、私に残された時間の少ない事に悩んだ末、抗がん剤の使用を決断しました。
まだ年老いた母の介護や、パートナーとの穏やかなリタイヤ生活も満喫しきれていない。
やらなければいけない事が沢山あるのです。
抗がん剤は医学の進歩もあって昔より副作用が軽くなっているとはいえ、髪が抜け落ちてしまうのは仕方がない。
抜けると言うよりは取れると言った方が正しいかなと思うほどの勢いでなくなっていきます。
でも今はウィッグもありそれを楽しむという手もあります。
思いもよらなかったのがまつ毛や眉毛もなくなってしまうと言う事。
特に眉毛ってないとすごい顔つきになるのね。(笑)
爪も割れてしまう。スタジオへ向かう車の中で信号待ちに服に合わせて毎日マニキュアを塗り替えたり、整った長い爪に憧れて若い頃から爪には気を使っていたつもりだっただけに、もろくも割れてしまうのは悲しかったです。
足の平とつま先が常に痺れていて正座をした後のよう。鼻血や便秘や吐き気、歯痛などなど軽いとは言え細かい目に見える症状はいくつもありました。
抗がん剤は、ある程度続けると身体が慣れてしまい、効かなくなります。
別の抗がん剤に切り替えて様子を見、また効かなくなり、とうとうこの時がやって来るのです。
一度効かなくなったものを、もう一度試してみて副作用と共に延命を考えるのか、
Quality of Lifeを優先に、自然に任せて痛みを取る緩和ケアだけで何もしないか、
二つに一つの選択の時です。
いくら二者択一の苦手な私でも、今回ばかりは答えは決まっていました。後者を取ると。
私への現時点での医療の限界に来たのですね。素直に受け入れる事が出来ました。
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