第45章 帰去来
<星の蛍> (帰去来 M−7)
日暮れの道 棚田を渡る 風のあと追いかけて蛍が舞う
甘い水の香ぐわしさに 一番星を抱いて逢瀬を待つ
誰のために生まれ堕ちて来たのか 夜露に濡れた身体が青く光る
晴れやかな空に 流るる川を
照らす蛍 永遠に輝いて
目を澄ませば 聞こえてくる 言葉なんていらないと蛍は舞う
何のために生まれおちて来たのか 相見し事の行方を月が看取る
晴れやかな空に 流るる川は
星の蛍 永遠に輝ける
晴れやかな空に 流るる川を
照らす蛍 永遠に輝いて
<帰去来>はアルバムを作ると決めて直ぐに頭に閃いた言葉でした。
人生にも季節があるように、2002年「さくら」から始まった綺羅の世界もそろそろ冬仕度の頃を迎えたのかなと、
アルバムの最後を「さくら」で締めくくったのは、綺羅としての春であった1st.Album<夏恋花>の1曲目「さくら」に繋いで綺羅の季節を循環させたかったからです。
2002年の「さくら」を作った綺羅も、2013年の「さくら」を作った綺羅も、同じ木戸やすひろと広谷順子の中にあり、いつでもここにあるのです。
この先、万が一私が歌えなくなったとしても、綺羅の世界は終わらない、
いつまでも続いてゆくと思っていただけたら嬉しいなって、、、
CDを購入下さった方ならご覧になったと思いますが、今回のブックレットには私の大好きな敬愛する孤高の画家「田中一村」の絵を特別に載せていただきました。
ある日何気なくTVで紹介されていた一村の絵を見た瞬間、その美しく鮮やかなそれでいてどこか悲しげな絵に一瞬にして釘付けになってしまいました。
翌日直ぐに画集を探そうと、逸る気持ちを抑えながら本屋さんに駆け込むと、沢山の本の中に一際まるでそこにスポットが当たっているかのように際立って見える一冊が目に飛び込んできたのです。
私は吸い寄せられるようにその本の前へ行ってびっくり。
正に探していた一村の画集だったからです。まるで私が来るのを待っていてくれたかのように!
すぐさま手に取り心臓がドキドキするのを抑えながらレジへと向かいました。
それからインターネットで検索してみると、なんと長野県の諏訪湖湖畔にある「ハーモ美術館」で
今まさに一村展をやっていると言うではないですか。。
もう居ても立ってもいられなくなり、行き方もわからないまま一人電車に飛び乗って諏訪へと急ぎました。
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