第44章 体調不良
ところが時を同じくして、私の耳の調子が著しく悪くなってしまったのです。
ひどい耳鳴り、スピーカーから流れる音は割れて聞こえ、右と左で音程が違って聞こえる。
どうなってしまったんだろう、、、
思い起こせば、スタジオミュージシャンとしてワークホリックをしていた頃、一人多重コーラスをしている最中に、突然左の耳がスポッと聞こえなくなった事がありました。
忘れもしないSound Valleyスタジオ。ヘッドフォンのせいかと取り替えてみたけど変わらない。
これは私の耳のせい??
30分ほど休ませていただいて復活、事なきを得たのですが、心配だったので耳鼻科で診てもらいましたが特に異常はないとの事でした。
それからも時々起こる耳の異常に気功へ通ってみたり、対処法として頭を下げるなどをしながら、騙し騙し仕事を続けていました。
随分お医者様の扉を叩いてみましたが埒があかず、、
ただ左の耳の異常をかばっていた右の耳の聴力が、左以上に落ちていた事がわかっただけでした。
実際に数値で示されて驚きました。いつの間にこんなに、、、
でも今回は何としても少しでも治していきたい。ガンの治療どころではなくなってしまいました。
そしてやっとそれらしい病名がつきました。
特発性両側性感音難聴。
自分で自分の内耳を壊していく抗体があるとかで、難病の一つなのだそうです。
治すのは難しいと、、、
耳に障害があっては細かい音の共鳴やゆらぎがわからなくなる、、
まだやり残した事はいっぱいあるのに、、
今後もっと悪化してしまうかもしれない恐怖を前に、綺羅としてもう1枚アルバムを作っておきたかった。
私の晩年を、常に公私ともに両腕を広げて支え続けてくれたモストカンパニーのT社長、アレンジャーでありアーティストでありマルチな才能の持ち主 岩崎元是をはじめ、そのブレーンでずっとエンジニアとしてお世話になって来たKくん、信頼するスタッフの全面的協力を得て<うららか茶房 II>のテーマである「星の蛍」を収録したアルバム<帰去来>の制作に入りました。
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