広谷順子
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第8章 洋楽の虜に

6歳上の兄の影響は多大で、小学校低学年の頃からとにかく洋楽を聴きまくりました。
兄とは同じ部屋で机を並べていたので私の周りにはミュージックライフなどの専門誌が溢れ、壁にはポスターが隙間なく貼られていました。
既に中学生でビートルズのコピーバンドでギターを弾いていた兄がラジオから流れる曲を、オープンリールに録音しては繰り返し繰り返し一晩中流していたので、二段ベッドで寝ていた私にはある意味催眠療法。。
知らず知らずのうちに刷り込まれていたようです。
バンド仲間として連れて来た友達が後に仲井戸麗市さんであったと知った時は驚きました。
その優しい笑顔に胸キュンで、もしかしたらこれが初恋だったのかもしれないと、、、

当時は英語が全くわからないのに聞いたままの発音でお構いなく歌っていました。
ある日同級生のKさんが「その歌私も好きだから教えて」と言います。
二つ返事で「イイヨ〜〜!」と自分の思っている言葉をカタカナで書いて渡しました。
ところが彼女はなんと英語を習い始めていた所で、それを先生に見せてしまったのです。
あとで「これ全然嘘じゃない!先生に怒られちゃった!」と文句を言われ、ものすごく恥ずかしい思いをした事がありました。
私にとっては英語ではなくただの発音だったから、、申し訳な〜〜い!
それ以来聞いたままの発音で人前で歌うのは止めました!

とはいえ、初めて自分で買ったレコードはピンキーとキラーズのLPでした。
シルクハットとパンタロンスーツで歌うピンキーがとても素敵で、良く物まねをしていました。
’’青空に飛び出せ’’と言う彼らのTV番組を、丁度カラーテレビになったばかりの画面に被り付きで見入ってました。
買ったLPは洋楽のカバーを歌ったアルバムで今度はデタラメではなく、しっかり歌詞を見て収録されていた「Spinning wheel」「Night and Day」などを 一緒になって歌っていた事は後にBusiness Schoolの謝恩会で披露するまでになりました。

そしてある日、ラジオからカーペンターズの「Ticket to ride」が流れてきたのです。
衝撃的でした!なんて美しく優しく悲しげなヴォーカル。
一遍に虜になってしまい、そして気が付いたのはこの曲はビートルズの 「Ticket to ride」と同じだと言う事。
アレンジが違うとこんなに変わる。He と She が変わるだけで趣が変わる。
ここからカレンが私のすべてになり、毎日カーペンターズのあらゆる曲を耳コピ。
カレンの音域、癖、息使いまで真似て弾き語っていきました。

Single
「Shell Blue Eyes」
1983年 release
  • 収録曲
  • A.Shell Blue Eyes
  • B.Leaving Home
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