広谷順子
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第38章 宵のうち

その年、アルバム<幻世>から「うららか」が日本プロ音楽録音賞のベストパフォーマー賞に輝きました。
これは本当に嬉しかったです。
クリスタルの盾に刻まれた「綺羅 うららか」の文字が良かったね!頑張ったね!と言ってくれているようで、これまでの一つのご褒美とありがたく受け取らせていただきました。

そして2007年8月30日 <第伍帖 宵のうち>
<うららか茶房>で歳時記をお伝えしている中で知った事に<宵のうち>という言葉が、気象用語からなくなってしまうという事がありました。なぜなんだろう〜〜。。
こんな綺麗なファジーな言葉、、忘れられてしまっては勿体無いと思いタイトルにしました。
チケットには綺羅オリジナル栞を添えて、、
ステージはホタルをイメージして綿で包んだ灯りを飾り、メンバーもそれぞれ光を持って登場するという演出を考えました。
後に里アンナちゃんに提供し、綺羅でもセルフカバーをした「宵祭り」は、実はこの日のために書いた新曲でした。

<宵祭り> (帰去来 M−1)
玉簾揺らめいて 月灯りふわり   
薄化粧 紅ひとつ 芳わしき香りに誘われてく 静かな時の満つる夜   
待ちわびた銀のふね 水際にゆらり   
花飾りたおやかに 光さす帆先へ続いて行く 靜かな舟出大空へ    
いざや楽し この夜の宴  迎え集い     
語り尽くせぬ夢を愛をありがとう 胸に秘めて逝くよ   

天つ風雲の波 足下にふわり   
見下ろせば蜃気楼 まぶしさに身体も溶かされてく はるかな調べ 宵祭り    
いざや響け この世の宴 巡り果てた     
数えきれない命灯しいつまでも 愛が実るように    

砂の海に積もる涙も 星の川を輝き尽くす    
時を超えていつまでも そして今は続く    
いざやさらば この世の宴 迎え集い    
語り尽くせぬ 夢を愛をありがとう 胸に秘めて逝くよ

命の儚さに思いを寄せている時、誰かがこんな事を言っていました。
人としてのこの世での最後のお務めは、お通夜の席に友を招く事で、長年会いそびれていた友人同士が故人を介して再会、談笑したり、それぞれの思い出や近況報告などをする場を設ける事なのです。と、、
故人も、それを遠くから微笑ましく嬉しく、みんなありがとうの思いで見ていると、、
そんな事を書いてみたくなったのです。

綺羅 3rd Album
「幻世~まぼろよ~」
¥2,500(税込)
2006年10月25日 release
Whisper Notes Music / KIRA レーベルより
  • 収録曲
  • 1.うららか
  • 2.綺羅
  • 3.この世の花
  • 4.ゆらぎの雨
  • 5.月のふね
  • 6.ひとひら
  • 7.無情の風
  • 8.ゆらぎ
  • 9.郷愁
  • 10.時のなごり
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