広谷順子
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第17章 その愛に…

1979年5月21日リリースした1st.Album<その愛に…>は全曲松任谷正隆さんのアレンジ。 今の言い方なら全面プロデュースと言う事になるのでしょうか、、、
タイトルになった「その愛に…」と言う曲は、高校のバンド仲間で私の曲をコンテストに応募してくれたK子が、その後東京キッドブラザースの女優さんになり、彼女の芝居を観に通っていた時に東由多加さんの前で弾き語りさせていただいた曲です。
東さんから「あなたはこの曲があれば生きていける」と言っていただけた事が嬉しくて、この世界で生きていくためにとタイトルを「その愛に…」としたのです。

Recordingに入る前、キー合わせをするために松任谷さんの家に遊びに行きました。
もちろんユーミンもいらして物凄く緊張した事を覚えています。
お家には白と黒のワンちゃんが2匹いて、私も生まれてからずっと犬とともに暮らしていたので、おふたりが犬派である事にとても親近感を覚えました。
また、譜面の書き方をまだ知らなかった私は8ビートの曲でもなんでも16ビートで書いていたようで、松任谷さんが譜面を修正する以前に 「これ 君の曲の特徴なんだろうね〜」と優しく指摘され「私の曲の特徴?」そんな事に初めて気づかされました。
それ以来譜面の書き方を意識するようになり、特にスタジオミュージシャンとなってからは 様々なアレンジャーさんの譜面を覗いてみては納得していました。

<その愛に…>のRecordingは、まずはベーシックなリズム隊のみでの録音が最初だったので、 少し小ぶりのスタジオではありましたが これまたヘッドフォンから聞こえてくる音のなんとタイトでカッコイイSound!うっとり!
それもそのはず、リズム隊は超超一流で今でも第一線を誇るMusicianの トップの方達ばかりだったのですから、、
林立夫、村上”ポンタ”秀一、高橋幸宏、高水健司、宮下恵輔、松原 正樹、鈴木茂、瀬戸隆介、 吉川忠英、笛吹利明、齋藤ノブ、松任谷正隆、他(敬称略)
タイトなのに優しくて温かい、、
大好きな曲が次々と松任谷さんのアレンジで着飾られ極上の10曲が出来上がりました

洋楽志向だった私の曲に、竜真知子さんの日本の風景を歌った歌詞がとてもマッチして、今思うとこのスタートは後々の<綺羅>の活動を暗示しているかのようでした。。

1st Album
「その愛に…」
1979年5月21日 release
  • 収録曲
  • SIDE A
  • 1.古都めぐり
  • 2.遠い情景
  • 3.恋歌
  • 4.サマー・ムーンライト
  • 5.スノウ・フォール

  • SIDE B
  • 1.その愛に
  • 2.Last Scene…さよなら
  • 3.朝もやの中で
  • 4.キミの赤いほっぺにチューしちゃお
  • 5.過ぎ去って行くもの
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