広谷順子
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第5章 父から教わった歌

父とお風呂に入るのが好きでした。いろいろな歌を教えてくれたから。。
最初に教わった歌が「船頭さんの歌」

"♪村の渡しの船頭さんは今年60のお爺さん〜♪"

お風呂の中に響き渡るエコーが気持ち良くてよく大声で歌っては母に怒られました。
でもそんなに好きならばと母が子供時代に使っていた童謡の歌本をくれたのです。
茶色く色褪せた紙にどの曲もメロ譜と歌詞と小さな挿絵入りで、「船頭さんの歌」には ギスギスに痩せた肋骨の見えるアゴヒゲの生えたヨボヨボのお爺さんが一生懸命船を 漕いでいる絵が描いてあり、子供心に60歳と言う年齢に思いを馳せたものです。
その私も今60歳を越え、思い描いた60歳像はもろくも崩れ落ちました。(笑)

そして思うのです。年々人は若くなっています。寿命も延びて、、、
それは相対的な事で誰も気付けないけど1秒の長さが昔はもっともっと ずっと長かったのではないでしょうか?だから1日ももっとずっと長くて、、
そうすれば若干十代で偉業を成し遂げた偉人、 江戸から京都まで数日で歩くなんて事も納得できたりするのです。。。(笑)

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