第2章 幼少期
小さい頃に住んでいたのは父の会社の社宅で、
コの字型に並ぶ家々によって囲まれた敷地の内側にさらに縦横に混じり合う細い小径、
その小径沿いに家が立ち並び社宅で育った子供たちの絶好の遊び筋となっていました。
特に缶蹴りには隠れ場所が沢山あってよく隠れてはドキドキしたものです。
最後まで残って缶を蹴ってやるんだい!、、
でも一人で隠れているのは淋しくて早く見つけに来て欲しいな〜なんて、、
垣根の下には土蜘蛛の袋がいっぱいあって、
土の中へ続くその細長い袋をそ〜っと引き抜いてみる、、
大抵は途中で切れてしまいますが、うまく抜くと中から土蜘蛛くんがこんにちは!
ごめんね〜〜お休みのところ〜!
家々の庭にはイチジクがなり、、
そして私の家の前には井戸がありスイカを冷やしたり野菜を洗ったり足を洗ったり、、
その冷たさは今でも肌に蘇ります。
裏には大きな花の咲く畑があり、何の花だったのだろう、、
まるで運動会の色ちり紙で作った花のようにふわふわと綺麗でした。
今は勝手にそれは牡丹だったと思っています。
子供達の声が響き合う小径が大好きで当時の光景を思い出しながら書いた曲が
<郷愁>です。
< 郷愁 >(幻世 M−8)
そこの角を曲がれば、、古い生け垣が見える
名前を呼ぶ声 今も響く
古い井戸の周りに はしゃいだ無邪気な笑顔
小石を落とし耳を澄ます遠い日
指切りをしよう 赤い靴鳴る蔦の小径に またいつか
ボタン畑に迎えに行くよ お家へ帰ろう 日が暮れる
そこの角を曲がれば、古い生け垣が見える
かすかに香る沈丁花に手を振る
あの日と同じ空の色が 待ってる、、
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