広谷順子
MENU

第23章 充実した日々

ただ絶対音感の私の唯一苦手としたことは現場でのキーチェンジ。
譜面上のドはド。ドをレの音で歌うということは私には頭がウニになってしまうほど 気持ちの悪い作業で、時間の許す限りファイナルキーで書き直し、歌詞をもう一度書き込み歌う という作業。。
でも、大変ではあったけれどそんなお仕事が大好きでした。

中でもWINKや南野陽子ちゃんなどレギュラーで最初から関わっていたアーティスト達は 卵が先か鶏が先かわからない程歌い方が似てくるようになり、私自身も仮歌の重要性をひしひしと感じるようになった現場でした。
その後、バックコーラスもできるようになり得意の一人多重に時に混声、時に女性だけでと、コーラス仲間も沢山出来ました。
メンバー変われば響きも変わる。常に何が一番気持ちいいのか、このオケが必要としているのか、それぞれが感じながらそれが暗黙のうちに一致した時本当に心地よいハーモニーを奏でることが出来るのです。もうアドレナリンが出まくる瞬間です。
あ〜私はこれがしたかったんだ〜!そう思える毎日でした。
こんな優れたミュージシャンとミキシングの奏でるいい音の中で毎日歌っている人、世の中に他にいるだろうか、、そしてこの世に生み出されようとしている数々の名曲の最初の場面に関われている事にホントに幸せだな〜と、心底思い出した頃、またまた突然の病が襲います。

絶対音感とは

ある音を聴いただけでその音の音名(高さ)が分かる能力。
出典:音楽用語辞典

※右横の「しおり」をチェックすると、次回読み進めるのに便利です。
※本文「紫色のテキスト」をタップ(クリック)すると関連情報がご覧いただけます。
Copyrights © Kira, Tokyo, JAPAN. All Rights Reserved.