第19章 悲しい知らせ
実は私のデビューは「道」より先に1978年にリリースされた、あのサーカスの「Mr.サマータイム」のB面に提供した「Day Dreamin'」という曲だったのです。
そのデモテープを録っている時についでに「Mr.サマータイム」の仮歌を歌いました。
作詞家の竜真知子さんが「Mr.メモリー」と「Mr.サマータイム」それに確か「Hallow サマータイム」のどの歌詞にするか悩んでおられて実際に歌ってみた訳です。
キーがどんどん変わって行くおしゃれな心地よい曲だな〜と思った事を覚えています。
これが実質、私が後に何千曲と歌う事になる仮歌の仕事の第一作目となりました。話は逸れましたが、その「Day Dreamin'」もセルフカバーと言う形で
「Blendy」に収録する事が出来たのです。
1983年、悲しい知らせが届きました。カレン・カーペンターの死去。
どこでどうやって知ったかは思い出せないのですが、彼女は私の師匠であり憧れであり、新曲が出る度にそのヴォーカルテクニックの魅力の虜になって一生懸命マネをしては
研究していました。
彼女がいなくなってしまった事でもう新しい彼女に出会えないのかと言う喪失感と、これまで沢山の歌を本当にありがとうとの思いを曲にしました。
<She’s gone with the song、、、>
草月ホールでのコンサートで初披露すべくアレンジもカーペンターズの
「We’ve only just begun. 」「Rainy Days and Mondays.」などを織り込んで
心を込めて構成しました。
コンサートのリハーサルでこの曲を歌っている最中に、突然スイッチが入ってしまって号泣!
あまりの嗚咽にリハーサル中断!いくらお化粧前とは言え顔はグシャグシャ、鼻声にはなるし
一時は本番のメニューから外した方がいいんじゃないかとスタッフに言われたほどでした。
自分でもこれほどまでに大切な存在だったのかと言う事を改めて知ったエピソードでした。
後に、この曲を録音したデモテープをA&Mを通してリチャード(兄)の元に届けていただき
光栄にもお返事までいただく事が出来ました。
その手紙は額に入れてずっと私の家の壁に飾ってあります。大切な大切な宝物です。
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